はじめて触れた無農薬田んぼ
- 7月8日
- 読了時間: 5分
前回のブログ「 田んぼの話 」つづきです。
暗い話から徐々に明るくなっていきますよー!!
前回のブログでご紹介した
NPO法人ECOPLUS が主催する 休日農業講座「田んぼのイロハ」
私は杉原一樹を巻き込んで田植え編から参加しました。

場所は新潟県南魚沼市の栃窪と呼ばれる地域。
晴れると巻機山や八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳から、越後湯沢の飯士山や平標山までがきれいに見える、標高550mのところにある美しい地域です。

田植えを行うのは15年以上もの間、農薬が使われていない無農薬田んぼ。
無農薬田んぼを実際に目の前で見ることがはじめだった私は、田んぼの前に立っただけで感動がありました。
素足で田んぼに入るのも実ははじめて。
祖父と一緒に田んぼ仕事をしていた時はそもそも水を張った田んぼの中に入ることがほとんどありませんでしたが、田んぼの中に入る必要があるときには田んぼ専用の長靴を履いていました。
素足で田んぼの中に入ることに抵抗が全くなかったかと言われたら、そんなことはありませんでした。
足に傷がついたら何かに感染するのではないだろうか?
田んぼの泥の中で何かに嚙まれたら?
危険な生き物は本当に居ないの?
私にとって未知の領域。様々な不安が浮かんできます。
しかし、まわりを見ても怖がっている人は一人もいません。
格好つけな私は平気なふりをして田んぼに入りました。
ひやっとした泥の中、足の裏にはじゃりじゃりとした感覚。
泥の中がよく見えず、それがまた怖い。
自分がとても無防備で、勝ち目がないように思えました。
田んぼの中にある私の素肌はやわらかく、田んぼとの間にはなんの隔たりもない。
私は今、田んぼの生き物と平等だ。

まわりの人たちはキャアキャアと楽しそう。
主催者のお二人がニコニコしているのを見て、田植えに集中することにしました。
六角(ロッカク)と呼ばれる昔ながらの道具を使って線を引き、線と線が交差するところに苗を淡々と植えていきます。
腰に結び付けたかごにいれていた苗がなくなったら、自分で畔まで取りに戻る。
不安定な田んぼの中を歩くだけでもいい運動です。
淡々と苗を植えていくうちに気づいたら素足であることに対する不安は忘れていました。
私が想像していた怖いことは結局起こらず、平気だったのです。
ヌカカと呼ばれる小さな虫にたくさん刺されたことは想定外で
( 田んぼの外の生き物のことは特に想定していなかった )
それがかなり不快でした。
これが実際に体験することの面白さ。
想定していないことが起きたり、思ってもいないような気づきを得られたりすることが、実際に体験することの面白さだと私は思います。
これはAIにはつくれないことでしょう。
ヌカカにはたくさん刺されましたが、私は素肌で触れる無農薬田んぼの気持ちよさに夢中になりました。
苗の形状も、使う道具も全部はじめて。
使う道具はどれもシンプルで、頑張れば自分でも作れそう。
このことに私は強く惹かれました。

なんたって私は大型で高価な重機を買うのが怖くて田んぼから逃げた女ですから。( 前回のブログより )
高価な機械を買わなくても田植えはできる!
中腰になって手で植えることの肉体的な疲れよりも
専用の田植え機を所有しなくても田植えはできるんだ!わーい!という喜びが勝っていました。

はじめての無農薬田んぼ体験のあと
エコプラスのお二人がプライベートで行う田んぼにも遊びにいかせてもらい、小さな田んぼでの田植えを体験させていただきました。
栃窪の田んぼとは違い田んぼの形が綺麗な四角形ではないため、六角で線を付ける作業が難しい。
水を取るための水路や、畔の細さなんかも私がこれまで触れ合ってきた田んぼとは違いました。
昔ながらの田んぼという感じでしょうか。
小さな田んぼの大きさは3畝 (約3アール) ほど。
夫婦2人が1年間食べていくには十分なお米が収穫できるということを教えていただきました。
思えば、祖父と一緒に田んぼをしていた頃は田んぼの面積を臨場感を持って理解することができませんでした。
5ヘクタールって、一体どのくらいよ…と今でさえ思います。
それは収量についても同じで、収穫期には稲をどんどんコンバインという大きな機械で刈っては別の機械に移して乾燥させます。
乾燥が済んだお米は大きな袋に入れて、トラックでお米屋さんにどんどん運ばれていく。
自分たちで直接販売する分のお米は淡々と30㎏の米袋に袋詰めして、倉庫の中に山積みになっていきます。
このような流れ作業だったので、自分たちが作ったお米の収量をイメージすることができませんでした。
5ヘクタールの田んぼは決して大規模農家というような面積ではないですが、人間が直感的に感じ取れる数字を越えていたと思います。
数字で表された面積や収量と自分の労働との間に繋がりを感じることができませんでした。

エコプラスのお二人の田んぼで私が最も感動したのは
この田んぼでのお米作りをお二人は専用の機械を使わずに、伝統的な農機具のみで行っているということでした。
今はトラクタ―の力を借りることもあるようですが、当時はすべての行程を手作業で行われていました。
地域の長老から教わったという伝統的な稲作を、伝統的な農機具を使って夫婦二人で行う。
これなら私にもできるかもしれない。これがいい。これがやりたい。
そんな気持ちが沸き上がってくるのを感じていました。
数十年前までは日本で当たり前に行われていた二人の暮らし方に、私は心から癒され、安心し、希望をもらったのです。
これが6年前に私に起きた出来事でした。

つづく
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